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僕の部屋をノックする音が聞こえた。何かと思って応対すると、瞬間移動魔道士ワープマンがいた。
「キルル宛の手紙が来てるよ」
ワープマンは僕に手紙を渡すと、あっと言う間にいなくなった。ワープマンはその能力を活かして、特殊クラスの生徒宛の郵便物を配る係をやっているのだ。
手紙は母さんからだった。
「キルルへ。学校生活は楽しいそうで、母さんはとても嬉しく思っています。母さんと父さんも元気に過ごしていますよ。キルルの才能である『即死魔法』を極めるのはいいことだけど、やはり無益な殺生はいけませんよ。決して焦らず、皆を困らせているモンスターや動物だけ殺すようにしなさいね。そして、学校では国語や数学、歴史の勉強も決しておろそかにしないこと。せっかく無償で学ばせてもらえているんですもの、『即死魔法』以外のことも、大いに学んでちょうだい。あとは体に気をつけること。夏休みになったら家に一度は帰ってきなさいね」
と、書かれていた。
「母さん……」
僕の心を何もかも見透かしたような手紙だった。やはり親だから僕が何を考えているのかわかるのだろうか。
僕は、返事の手紙に、元気に過ごしていることと、夏には帰省することだけ書いて出した。
それ以外はどう書けばいいのかわからなかった。母さんに嘘はつきたくなかったから、どう書いたらいいのかわからないことは伏せた。
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