第6話 王都観光

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第6話 王都観光

 寮には食堂があるから、食事はそこで済ませるように言われた。クイズ作成魔道士トイに引き連れられ、特殊クラスの面々は夕食を食べに食堂へ向かった。ロビーの端にある魔法陣に乗ると、食堂の目の前にいた。食堂は校舎の一階の端にあるそうだ。  食堂には制服を着た少年少女が食事をしていた。制服の色が五種類あるようで、赤色、青色、黄色、白色、緑色の制服を着た生徒がそれぞれいた。制服を着た生徒たちは僕たちを見るとひそひそしだした。 「制服着ているのは一般クラスの生徒だよ。特殊クラスのメンバーは制服がないから、どうしても浮くんだよね」  赤色は火魔法クラス、青色は水魔法クラス、黄色は土魔法クラス、白色は風魔法クラス、緑色は草魔法クラスの生徒なんだそうだ。  食事はバイキング形式で好きなものを取って食べられる。僕たちはそれぞれ好きな料理を取り、一つのテーブルを特殊クラスの面々で陣取って食べた。料理は美味しかったが、一般クラス生徒の視線が落ち着かなかった。一般クラスの生徒は特殊クラスの僕たちをただの好奇心で見ているだけで、嫌な感じの見方ではないのは雰囲気でわかったが、それでもやりにくかった。まだ僕の他に四人いたからいいものの、僕一人なら逃げ出したい。退化魔道士ネルとクイズ作成魔道士トイが留年したのも無理ないのかもしれない。  このように特殊クラスの面々はこの学校で浮きがちなので、特殊魔道士同士は結束が固くなるようだ。僕は新しい学校の人間関係が上手くやれるか心配していたが、その点はそこまで問題なくやれそうで安心した。
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