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後日。拓郎が日当たりのいい中庭でくつろいでいると茶髪男に絡まれた。
「お前さあ、委員長の彼氏になったんだろ? だったら姉ちゃん俺に紹介
してくれよ。あの姉ちゃんクールでいいよなあ。フリーだろ?」
拓郎は無視しようとしたが、目をそらした際に胸倉をつかまれた。
「やめてくれ。これ以上僕に関わると君が危ない」
「はあ? 何それ? 口だけ番長? どういうギャグだよモヤシ野郎」
「まず、僕は委員長の彼氏じゃない。姉さんは紹介できない。以上だ」
冷たく言い放たれた茶髪は激怒して拓郎を吊り上げようとした。
瞬間。茶髪の背後に真美が立ち、その首筋にナイフを添えていた。
「拓郎。こいつの頚動脈、さくっと切っていい?」
「やめて姉さん。せめて絞め落とすくらいでお願いするよ」
真美の細い腕が茶髪の太い首に巻きつき、茶髪は白目をむいた。
「姉さん逃げて! 僕は保健の先生を呼んでくる!」
「見たわよ拓郎君。あなたの姉さんはいったい何者なの? 説明して」
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