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校舎玄関で真帆に耳打ちされた拓郎は真帆の腕をつかんで歩き出した。
「痛い! 痛い! キャアア殺される~~!」
大声で叫ぶ真帆の口を手でふさぎ、拓郎は人気のない場所へと急いだ。
(痛ぇ……この女俺の指を思い切り噛みやがった)
薄暗い体育用具室に真帆を押し込み、拓郎も入って重い扉を閉めた。
「キャアア! 何すんの何すんの? 怖い怖い! 私やだあ!」
「うるせえ! 何もしねえよ騒ぐんじゃねえ! 騒いだら殺すぞ!」
「……怖い拓郎君。キャラ違うし。騒がないから許して」
「どこまで見た? 姉さんの何を見た? 言ってみろ。俺にだけ言え」
「……ナイフ」
「忘れろ。忘れると誓えばお前を俺の女にしてやる」
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