記憶へ

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上月家の強い希望で拓郎と真美は中学校に通い始めた。 「拓郎、真美。中学は卒業しなくちゃいけない。できれば高校まで」 上月のおじさんは本当にいい人だったので、真美も言うことを聞いた。 それでも中学に通い始めるとトラブルが絶えなかった。 美しく成長した真美は同級生男子や先輩男子に言い寄られた。 そのたびに真美は癇癪を起こし、流血沙汰に発展した。 拓郎は真美の起こした騒動の尻拭いで必死だった。 どうにかこうにか卒業の日を迎えたが、上月のおじさんが病気で死んだ。 すると上月のおばさんは中卒の二人を家から追い出した。 それからは拓郎が身分を偽って働き、稼いだ金でその日暮らしを続けた。 いかがわしい店で働いたときに大変なトラブルに巻き込まれた。 駆けつけた真美が暴れ、警察沙汰になりかけたので二人は逃げた。
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