カルマと迦楼羅(かるら)

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 迦楼羅の声に負けないくらいの金切声(かなきりごえ)をあげ、小春はふたりから距離を置く。  先ほどから、毛束はぴんと立ったまま。 まるで(うさぎ)の耳だ。  身を乗りだし、彼女に食ってかからんとする迦楼羅を、カルマがどうにか押しとどめた。 「こ、こんじ・・・・・・?」 「金の(はね)の鳥、という意味です」  カルマはそう教えてくれたけれど。  真っ黒い羽根箒(はねぼうき)みたいな姿としゃがれた声は、どこからどう見ても、村や野山で見かける烏としか思えない。 (あ、でも)  よくよく見れば、なるほど、不機嫌丸出しの両眼は金色(こんじき)で、輝きを放ってさえいるようだった。
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