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第四話
いつもの大学のカフェテリアで、いつもの顔ぶれ。違うのは、僕と鮎川の関係が変わったことだ。
「まじか! 絶対ないって言ってた癖によお」
日向に鮎川と付き合うことになったと報告すると、彼はテーブルに突っ伏した。
「……裏切り者」
「僕もこうなるとは予想もしてなかったから」
「わ、私もです! なんかすみません……」
「謝らないでくれ。余計に凹む……」
そう言ったかと思うと、日向はパッと顔を上げた。
「あ、でもさ。褒められたんだ、麻子先輩に!」
「雨降らせたからか?」
「おう! 役にたつことなんてないと思ってた能力だけど、今回ばかりは雨男で良かったと思ったね」
「ああ、そう……」
「なんだよ、その哀れみの目は! でも最近ちょっと……ちょっとだけだけど麻子先輩から話しかけてくれることが多くなってきた気がする」
確かに以前は日向ばかりが野島に話しかけていたが、最近は野島から日向に声をかけているのを見かける。
「今回エキストラとして大奮闘したからじゃないか?」
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