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平易文4.隔離
体が病に冒されることと
心が病に侵されることに
大きな違いはない。
閉めきった部屋に一人籠り、外敵と戦うしかない。
病に冒された体は菌をばらまく。
寄る人寄る人全てに類を及ぼす。
だから接触してはならない。
そして孤独を枕に、立ち向かわなくてはならない。
病に侵された心は悪意をばら蒔く。
眼に映るもの全てを憎み、恨み、深く憎悪する。
だから接触してはならない。
自分と無関係な物事に思考を向け、めくれ返った心のヒダが戻ることを待つしかない。
病の癒える前にどうして人前に姿を晒せようか。
体が負ければ朽ち果てる。
心の負ければ立ち消える。
そうならない為にも、己を信じて、ジッと堪えるしかないのだ。
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