おもち１００本

平易文８.敵わない人

謙虚な人。
これには本当に敵わない。
彼らは観点に対して貪欲だからだ。
相反する意見でも構わず平らげ、飲み込んでしまう。

普通、そんな無茶をしたなら自己矛盾に襲われてしまう。
実際謙虚な人もそうなる事だろう。
逆のベクトルによって常に引っ張られるという
強烈なジレンマに苛まれるのだ。

ではそんな彼らの何が恐ろしいか。
それは全く新たな観点を、自ずから生み出してしまうこと。
足踏みは長く、或いは遠大に回り道をしようとも、そんなものを物ともしない学びを彼らは果たす。
そうなってしまえば手も足も出ない。

光の早さで、先を行く者全てを抜き去ってしまう事だろう。
謙虚な人は恐ろしいものだ。