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その日の夕方、僕らは元の宿屋に戻って来た。
いくら1泊200アルゲンでも、あの時給では満足に食事もありつけそうもない。レオも同じ感想を持ったようだ。
「とにかく、冒険者になるしかないってワケか」
「そーいうこと。一か八か迷宮で成り上がるか、ここでビンボー生活するしかないんだよ」
シリーはそういうとパンをかじって俯いた。
「シリー…お前、どういうモノを食ってたんだよ」
「だから、ゴミ漁りしたり…残飯を横流ししてもらったり…時々、泥棒したり…」
レオは、げっそりとした顔をした。
僕らもこのままだと、同じような生活しなければならなくなる。
シリーは布団に包まると言った。
「とりあえず、明日は冒険者ギルドに行ってみる?」
「そうだな。せっかくだし…ダメ元で最大手のギルドに案内してくれよ」
レオが言うとシリーは嬉しそうに耳を立てた。
「それならアックスだね。わかった、明日案内するよ」
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