アックスギルド

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 やがて僕らの前に、堂々とした建物が姿をみせた。  中世風の世界にも関わらず5階建てだ。屋根の中心では、斧のエンブレムが黒い光を放ち、見上げるような門と塀は、まるで砦のようにさえ見える。 「この砦、本当に一世一代で作ったのか?」 「オイラも…自信…なくなってきたよ…」  中に入ってみると、ホテルのように広々としたロビーと食堂があった。食事をしていたギルド員たちは、食堂からチラッと僕たちを見たが、すぐに感心無さそうに元の場所に視線を戻した。その光景に思わず圧倒されてしまったが、ロビーの中心に受付があることに気付き、僕とレオは緊張しつつも歩いた。 「高級ホテルのホールみてえだな…」  僕も頷くのが精いっぱいだった。  受付嬢は2人座っていたが、両方とも尖った耳のエルフだった。その雰囲気はキャリアウーマンのようにも見える。レオは緊張した面持ちのまま話しかけた。 「あの、すみません」 「いかがなさいましたか?」  レオはちらっと僕を見ると、思い切った様子で言った。 「冒険者の募集はしていませんか?」  受付嬢たちは、表情にこそ現さなかったが、少し赤みがかった気を纏った。 「申し訳ありませんが、今…人員を募集している隊はありません」 「そうですか…」  目を見て分かった。彼女たちは嘘をついている。  恐らく、僕らでは実力不足なので、あえてこう答えたのだろう。
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