アックスギルド

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「おい兄ちゃん、植え込みに何かあるのか?」  振り返ると相手はドワーフだった。その身長は僕より大きく、レオより少し低いくらいで180センチメートル前後だろう。  使い込まれた兜や鎧を身に着け、背中にはとても大きな斧を背負っている。武器はそれだけではなく腰にサーベルも下げている。 『変な石、見つけまして』  僕はそう言いながら、石を指さした。  ドワーフが前に出ようとすると、側にいた狼族の戦士が歩み出て「お待ちを」と言いながら、問題の石を拾い上げる。  狼族の戦士は眉間にしわを寄せると、エルフの女性に見せた。 「盗聴石ね」  ドワーフの隣にいたエルフの女性は、感心した様子で僕らを見た。 「貴方お手柄よ! お礼をしたいのだけど…どこのギルドの人?」  レオとシリーは僕を見ると言った。 「それが俺たち…ノラなんですよ」  ノラと聞いたドワーフたちは目を大きく見開いた。特にエルフの女性は"信じられない”と言わんばかりの様子だ。  狼族の戦士は、ドワーフに近づくと何かを耳打ちしている。ドワーフは頷くと言った。 「ここで立ち話もなんだ。俺の部屋まで来ないか?」
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