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まあ、とりあえずアックスの話題はこれくらいにして、次に行こう。
遠目からでも見えた大聖堂は、近くで見るとますます大きくビルのような高さだ。特にそびえるように見えるのは塔のように突き出た部分。まるで時計台のように町全体を見渡せそうだ。
「アックスもでけえけど…ここも負けてねえな」
「この島の本部だからね」
「なんて名前なんだ?」
「ユーシス教ミリズス派だったっけな…みんなからは教会って呼ばれてるよ」
教会か。確かに宗教団体は、いつの時代でも強い権限を持っている。
入り口に近づくと、美しい歌声が聞こえて来た。ミサだろうか。
「ごめんください」
レオが挨拶をすると、水やりをしていたシスターが振り返った。
「あら、シリーちゃん。今日も石を拾ってきてくれたの?」
「お姉さん、今日はギルドを見学させて欲しいんだ」
シスターは一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐに表情を引き締め、凛とした雰囲気へと変わった。僕の思い描く、聖職者のイメージそのものだ。
「わかりました。ご案内しましょう」
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