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それから十数分後。僕たちはトボトボと道を歩いていた。
あの後、お詫びとして1000アルゲンのお布施をし、そそくさと退散した。
「お前、どんだけパクッてたんだよ…」
「ごめん…」
『いいんだ。僕も、馴染めそうに、なかった』
「まあ、俺も宗教ってやつは苦手だしな。これでよかったかも」
レオは大きく伸びをすると、気持ちを切り替えるように僕らを見た。
「さっ、次だ次…で、ガリ…なんだっけ?」
「次はガリアン傭兵事務所ってところ。
まず入れてはもらえないけど、名前を憶えてもらえればしめたものだよ」
シリーの話しぶりから、ガリアンという傭兵団は少数精鋭のギルドだと考えられる。僕らのような初心者では門前払いが関の山だが、先ほどのガンプのように興味を持ってもらえるかもしれない。
レオも感心した様子でシリーを見た。
「お前、そういう所はしっかりしてるな」
確かに、シリーは年の割に大人びた所がある。
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