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ギルドの中を改めて見ると、観葉植物がいくつも並び、ロビーや受付の前にはゴミひとつ落ちていない。ロビーの奥には食堂があるが、そこで食事をしているガリアンの構成員たちは強く穏やかなオーラを纏っていた。
「中は意外と落ち着いてるんだな」
『うん…』
およそ5分ほどだろうか。男性は戻ってくると申し訳なさそうに言った。
「わざわざ待たせてすまなかったね。
さすがに実績がない冒険者を入れることはできないらしい」
レオもシリーもがっかりした様子で肩を落とした。
それはそうだろう。ここのギルド員と僕たちでは住んでいる世界があまりにかけ離れている。レオがお礼を言うと男性は笑顔を見せてくれた。
「強くなったらまたおいで。
因みに、僕はドンフェ…困ったことがあったら相談してよ」
「は、はい…」
結局、就職先が決まることはなく、僕らはグスレソーに戻ってきた。
「これが、トンボ返りってやつか…」
「でも、ドンフェさんだっけ? 顔を覚えてもらえるなんてすごいよ!」
「あはははは…そうだな」
レオは少し間をおいて言った。
「つまり、俺たちも変わり者認定されたという訳か」
シリーはパンを銜えたまま固まった。
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