現実

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 翌3日。この日は中堅ギルドを中心に5か所ほど就職活動をした。  1件目と2件目は門前払い。3件目のスパイクシールドは面接こそしてくれたが不採用。4件目のオレンジラインは中にすら入れてくれなかった。  そして、最後の5件目も…。 「ここもダメか…」 「そりゃ、シャープアローズと言えば狩人たちに人気のギルドだからね」  確かに。相手が名門ギルドなら、門前払いにされなかっただけでも上手くいった方だろう。  レオはため息交じりに言った。 「就職活動って…こんなに厳しいんだな」 『求めるのは、即戦力のみ…か』  4日、5日とも結果は同じだった。  中堅ギルドに加え、小規模ギルドも回ったが条件が折り合わずに破談。  僕もレオも口数が少なくなった時、シリーは言った。 「あ、そうそう…明日は教会の炊き出しに行くから早く起きてね」  早起きと聞いてレオは不満そうな表情をしたが、すぐに自分の財布の中身を思い出したようだ。今日の宿代を払ってしまうとレオの残金は500アルゲンを切る。 「そうだよな…少しでも食費、浮かさないとな…」
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