はじめての魔境探索

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はじめての魔境探索

 6日目、公園には冒険者から浮浪者まで様々な人間が集まっていた。この日は寒波が来たのか、4月初旬とは思えない気温だったが、この人の多さには驚かされる。  この寒さの中、教会の神官たちは大きな鍋でスープを作り、その脇には丸パンがずらり並んでいた。 「凄い人だな…」 「うん、この町には生活に困ってる人…いっぱいいるから…」  やがて、初老の神官が公園の中央に立って叫んだ。 「神の子供たちよ。無事に今朝を迎えられたこと…共に感謝の意を示そうではありませんか!」  浮浪者たちは一斉に、十字を切り手を合わせた。  隣に居たシリーも手を合わせている。ここは、郷に入っては郷に従えだろう。  遂に、食料の配給が始まった。  教会のシスターたちが次々と、丸パンをくり抜いて中にシチューを入れ、流れ作業のように次から次へと貧民たちに差し出している。 「寒ぃ…」 「待ち遠しいね」
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