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「思った以上にボリュームがあるな。
これなら、午前中くらいは何も食べなくても大丈夫だな」
レオがそう言うとシリーが苦笑いしながら言った。
「一応、乾パンくらいは用意した方がいいよ。これからおもしろい場所を教えるからついてきて」
意外に思った。就職先を探さなくていいのだろうか。
僕の所持金もあまりないし、レオに至っては今日で所持金が尽きてしまう。
レオも憮然とした顔をしたが、シリーは「いいからいいから!」と僕らの背中を押した。
シリーは広場を抜けると、いつも宿泊している宿を通り過ぎ、そのまま川原へと出た。
「何だ何だ? 釣りでもしようってのか??」
「このまま上流を目指すよ」
上流に向かうと、町から出てしまうような気がするが…。
そう思いながらシリーの後についていくと本当に町を出てしまった。止まる気配はない。
「なあ、どこまで行こうってんだ?」
レオが尋ねると、シリーは当然のように言った。
「もっと上流」
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