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現実
アックスギルドから出ると、シリーは言った。
「本当によかったの? こんなチャンス、もう二度とないよ」
『実力、無いのに、不相応な地位は、良くない』
それに、アックスにいる限り、ガンプお気に入りという評価はついて回る。
「お前…あの時のことをまだ気にしてるのか?」
レオの言うあの事とは、過去に巻き込まれたトラブルのことだ。
長い話になるので割愛させてもらうが、"急がば回れ"を教訓にしている。
「アックス以外で入れてくれるとしたら…あそこかな」
シリーはそう言いながら旧冒険者街の一角を見た。そこにはシャルトルの大聖堂に似た建物がある。
「めっちゃ年季入ってるな…」
レオが囁くと、シリーは得意げに言った。
「ゴンザレス会長がここにアックスを作るまでは、あの大聖堂が一番目立つ建物だったんだよ。5階層まで直通するトロッコができてから、この辺りは一気に発展したんだ!
トロッコかっこいいよ! エルフやドワーフの力で動くんだ!!」
「ほほう…」
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