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ヒールが規則的にコンクリートをノックする音が響き渡る
扉の前に立ち肩にかけたバッグに手を突っ込み、少しばかり難民を起こした後に鍵を取り出し、そのままシリンダーに差込、施錠解除し家の中へ。
暗闇の中で壁に手を這わすと、つま先に固い触感が走ったのでそれを頼りに強引にスイッチを押す。
あたりを一望出来る状況になった途端、外よりは暖かいハズなのに、何故か喉の奥が冷たくそして握りつぶされるような感覚が襲う。
肩にかけていたバッグを床に置くより早く
私は崩れるようにへたりこみ、さっきとは比べ物にならないほどの深く重いため息をついていた
(疲れた……)
それだけでまるで部屋中の空気がズシンと重くなったような……
そこからは一気に波の様に眠気が襲ってきた。
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