Smoking Heart Ⅱ

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「なるほど……レールスターと似たような感じか……」 「すごい豪華な座席ね、これ普通車?」 流石に乗客がそれなりに見受けられたので、エレノアが数枚カメラで写真を収めた後、足早で次の号車へと繋がるデッキへと向かった。 「今の座席って、グリーン車じゃないの?」 「グリーン車は、足元が絨毯でふかふかだったり、枕がついていたりするな、あとはレッグあるいはフットレストがあったり、読書灯があったり…とかか」 「ちなみに、この先にある六号車はグリーン改造車だ」 「ええ!?立ち入って良いの?」 「普通車利用の客がグリーン車に立ち入ってはいけないが、あくまでも今の扱いは普通車指定席だからな…恐らく、利用客数は多いだろうが…」 扉が開かれると物凄く豪華な座席が並んでいた、何処がどうグリーン車と違うのか私には解らなかった。 先ほどの指定席車と同じく二列二列のシートなのは変わらないけど、 明るいモケットの座席は心なしか横幅はもちろんの事、前後のシート感覚も広い様な気がする リクライニングを全開で倒しているお姉さんはとてもリラックスした表情で少し羨ましくも思った。 ただ、エレノアが六号車立ち入る際に言った事は当たっており、たくさんの人が利用している様子。 グリーン改造車なるものをこれまた足早に通過し、私達の利用する七号車へと通じるデッキへと戻ってきた 「あれって、グリーン料金なしで利用できるの?」 「ああ、指定席料金扱いだからな、お得な座席と言えば座席だが」 「と言う事は、みんなそれを知って、あの席を使っているの?」 「それはないだろう、こだま号は全体的に指定席より自由席の方が多いからな、指定席利用の人が集中してそういう風に見えるのだろう」
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