Smoking Heart Ⅱ

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その後も車内探索は続き、七号車前後のデッキには喫煙スペースとちょっとした 窓口の様なものが存在しており 八号車には小さな個室があり、そこには別に物凄く久しぶりに見た様な気がする公衆電話、そして車両先端部には新幹線の運転台が設置されていた 「え?!すご!これ本物?!」 「本物と言えば本物だな、実際に一部の車両から持ってきて、子供向けに設置しているらしい」 「エレノア、写真撮りましょ!」 「は、恥ずかしくないのか?」 「誰も居ないんだし、別に良いじゃない!」 「う、うむ……」 普段は移動手段としか見ていなかったと言うのに、このこだま号は様々な作り込みがあって、非常に楽しいと感じていた。 本来であれば、子供用に作られた小さな椅子に腰掛けて、記念撮影する 「この運転台の後ろの座席だと物凄く足がのびのび出来るだろうな…ノビノビ座席だな」 探索を終えた私達は、自分達の席である七号車へと戻っていく。 五百系と呼ばれる新幹線の車内は、足元から天井まで全体を通して筒状になっている。 恐らく、空気の壁を切り裂く為に作られた形状がそのまま反映されており 他の新幹線とは異なって、少しばかり圧迫感を覚える 鉛色の壁や扉も相まって、新幹線と言うよりは飛行機とか、もしかしたら これからちょっと未来に開通するであろうリニアモーターカーの室内もこんな風になるのだろうか?と思えなくもない
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