67人が本棚に入れています
本棚に追加
買い物袋に品物をつめて、彼女のビールだけを置き去りにした矢先に声をかけられた。
「……ちょっと」
ああ、もう面倒くさいなぁ。買えたんだから咎められる必要はないと思うけど
顔を見るのも嫌だし、私は声だけで答えた
「何?」
「お店出るまで一緒じゃないと怪しいでしょ」
「…そんなのいちいち、店員さんは気にしてないでしょ」
「良いから!」
強引に私の持つ袋の中に先ほど購入難民を共にしていた瓶ビール三本を乱雑に入れてきた。
言い返す気も起きなくなったので、静かに店を後にする前に(ちょっとだけ待ってて)と言われたので仕方なく待つ。
スーパーの横にあるドラッグストアも時間が時間故に閉店準備中だ。
目の前で右往左往しているスタッフを見守っていると、すぐに彼女は戻ってきた。
どこに置いてたのだろうか、ちょっと大きい目のボストンバッグを持っている。
「何処でのむ?」
「あのね、見知らぬ人に迷惑をかけといていっしょに飲むって……」
とは言っても、一人で飲むのも確かに面白くない
思えば、この子の着ているコート…私のとよく似てる…
「お姉さん生きてます?」
袋に入ったビールに嬉々とした表情で手にかけた
「未成年が飲酒なんてダメだよ」
「おねーさんこそ……やけ酒なんてダメだよ、あと、私こう見えても 堕天使ですから」
最初のコメントを投稿しよう!