175人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんじゃと?仏様に頼る?あやつらは悟り済まして指一本動かさんのだぞ!そんな夢を見ていてどうするのじゃ。人生は険しく短いのじゃぞ、一刻も無駄にはできんのじゃ!」
万結姫の袖口から甲高い声とともに、小さい神さまが顔を出した。
「そこの稚児。分かっておるのか?」
千寿丸の鈴を張ったような瞳が、ヒクッと動いた。
「小人だ…お姉様、この物体は何でございますか…」
知るか!と、言いたいのを我慢できたのは、人目を気にするという習慣が咄嗟に出てくれた。
だだそれだけ。
屋敷内閉鎖空間での陰険な人間関係に揉まれたのも、無駄ではない。
人生に無駄は無い!
「これは、その。神さまなのよね。多分…」
最初のコメントを投稿しよう!