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一週間後、娘は、天国へと旅立った。
妻は、娘を失ったショックで家から出なくなってしまった。
私も娘を亡くしたことに打ちひしがれて、仕事も1ヶ月間休みをもらった。しかしいつまでも、メソメソしていたら天国にいる娘に申し訳ないと思い、仕事へと復帰した。
いつもと同じように仕事から帰ると、自宅のマンションの周りに人だかりができていた。近づいて見ると、自宅のある5階から火の手が、上がっていた。私は信じられなかった。
妻をすぐさま助けに行こうとしたが、消防隊に「今入って行くのは、危険です!下がってください!」と言われた。私は、どうすることもできなかった。
鎮火したのは、翌朝だった。火事の原因は、妻が娘の祭壇にあげたロウソクの火だった。
私は、絶望の底へと叩き落とされた。
何故、妻のそばにいてあげなかったのか?
様々な思いがこみ上げてきて、とにかく自分が憎かった。
そんな時、この前会った高校時代の友人から電話があった。
「おう!なぁなぁ聞いてくれよ!!!
この前言ってた宝くじを買ったらなんと当たったんだよ!5億!!おまえのおかげで当たったようなもんだから、分けてあげようかと思ってさぁ」
私は、こんなにも金とは、どうでもいいものなのかと思ったことはなかった。
早く幸せになりたかった私は、その電話を切り、マンションの屋上から飛び降りた。
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