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ピンポーンと鳴り玄関を開けると、見知らぬ女性が立っていた。
ダイナミックなボディだなと思いながら口を開く。
「保険の勧誘も宗教の勧誘も押し売りもお断りします。」
「あの!
初めまして!
篠山裕子と言う者です。
こちら、貴方のお母さんからのお手紙です!!」
必死な様子で封書を押し付けてくる。
貴方のお母さんって、俺のお袋の事か?
胡散臭いが、取りあえず受け取り、手紙を見る。
『母さんのお友達の春子さんの姪っこさんです。
病気を患い、ダイエットが必要なので、住み込みで面倒を見てあげて下さい。』
はぁ?!
住み込みでダイエットさせろって?!
うちはダイエット合宿所じゃないぞ!!
しかも、『追伸、貴方の嫁候補です』だって?!
頭に血が上った状態で携帯電話を取り出し、お袋に電話をかける。
が、繋がらない。
居留守か、と舌打ちすればメールが届く。
『春子オバさんから心付けをいただいてます。
無職なんだから頑張りなさい』
無情なお袋の文面だった。
大きく溜め息をつき、彼女を見る。
申し訳なさそうに、ペコリとお辞儀する彼女。
そう言われれば、春子オバさんの面影がある気もする。
仕方無いので、家に招き入れた。
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