邂逅

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「どう? 初めてのキスは」と少女は目を細くしました。 「驚いてよくわからなかったな」と青年は首を傾げました。  仕返しに、青年は少女の後頭部に手を回し、少女の顔を引き寄せるようにキスしました。  先ほどよりも執拗的に、少女が息を止めて限界が来ても唇を離しませんでした。  少女が青年の肩をぱんぱんと叩いて、そこで青年はやっと離してあげました。 「大人をからかうと、こうなるよ」 「お兄さん、言ってもわたしと七歳しか変わらないじゃない」 「大人同士の七歳は珍しくないけど、僕と君のような子だと、七歳というのはあまりに差がある」 「わたしは大人ですう」 「まだ子供だよ」 「そんな子供にお兄さんは無理やりキスをしたの?」  少女は小悪魔的な笑みを浮かべて、青年をからかいます。 「無理やりではないよ。君は容認してるからね」 「でも子供っていうのは否定してくれないの?」 「微妙だな。子供と大人のあいだってことで」 「あー、逃げた」  青年と少女の交際関係は、意外にも好調でした。  ですが青年の心には薔薇の棘のようなものが引っかかっています。  まさか、なんていいましたが、実のところ彼は少女の脚を見たときに病をほとんど信じてしまいました。  まるで青年から受ける愛情が栄養であるかのように、少女の病の進行は速度を増していきました。
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