第1章 主催者

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それからだ、それから家のドアを閉じた後の記憶が全く無い。 家から出なきゃ良かったのかもしれない、あんな決意心に決めなきゃ良かったのかもしれない。 「おい、意識ある?」 体を揺さぶられて目が覚める、その声や揺らし方は荒らしく優しさが感じられない。 質問にも答える気になれず無言で目を開けて僕を揺らす張本人を見た、気が弱そうな顔に茶色に染めた髪というとんでもなくミスマッチな男がそこにはいた。 「あっ、起きた。あのさ俺ここがどこか全くわからないんだけど。君わかる?、他の人にも聞こうかと思って起こそうとしたんだけど皆起きてくれなくて。」 彼は酷く手汗をかいていて、顔色もすこぶる悪かった。 「ゴメンだけど僕も全くわからないんだ」 彼には申し訳ないが僕は1回目、目が覚め這いつくばりながら周りを見ているがそれでもヒント1つ無かった場所だ。ここに散らばっている人間の中の誰かがここの場所を知っているとは思えない。 「そうか……じゃあ君も目が覚めたら訳の分からないこの場所に倒れてたってこと?」 ガッカリしたような顔は見せなかったのは同じ境遇の僕を見つけ安心したのだと思う。「そうだよ、家のドアを閉じた後の記憶が無い。」 「僕は学校の帰り道を歩いてるからの記憶が全くないかな、皆連れてこられた時間帯とかは別なのかな。」 その仮説が本当だとしたら今は何日の何時なんだ、僕は自分が朝から記憶が無いため勝手に今は夕方か夜だろうと思っていたが もしかすると朝かもしれない。 「そうかもしれない、他の人も起こして聞いてみよう。」僕はとにかく今は自分が置かれている状況把握が一番大事だと思い、すぐにでも全員をたたき起こしたかった。 立ち上がろうと膝をつくと急な目眩に襲われ、支えがなければまた倒れ込んでいてだろうと思う。 「大丈夫か、俺も目が覚めた時1時間は動けなかった。気おつけてな。」 このミスマッチな奴は案外良い奴のようだ。
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