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「村山さんのお宅でよろしいでしょうか? こちらは緑山幼稚園、担任の藤井です。
実は、先程大地君が鼻血を出されました。あと大地君の顔色も少し悪いようなので、
少し早目に迎えに来て頂けませんか?」と藤井は言うと、
「わかりました。すぐに迎えにいきます」と大地の母親のひとみが言った。
今まで息子の大地が、鼻血を出したことがなかっただけに、ひとみは不安に感じた。
そして、すぐにひとみは、車で十分のところにある緑山幼稚園へ向かった。
ひとみが幼稚園の前にある駐車場へ車を停めると、すぐ近くに園長を見つけたため、
「こんにちは、園長先生。いつも大地がお世話になっております。今、大地はどちらに居りますでしょうか?」とひとみが聞くと、
「職員室に、藤井先生とおられますよ。怪我もたいしたことがなくて安心しました」と園長が言った。
「すみません、ご心配をかけまして」とひとみが言って、職員室へ入った。
藤井は、すでに大地の膝に、消毒液を塗ってバンドエイドを貼ってくれていた。
それに気付いたひとみは、藤井に礼を言った後、
「大地、心配したじゃないの。大丈夫?」と聞いた。
「大丈夫だよ。僕、強いから泣かなかったよ」と大地は、自慢げに言った。
「ほんとに強かったよね、大地君」と藤井が言った後、
「お母さん、念の為、病院へ連れて行かれた方がいいと思います」
「病院は行きたくないよ」と大地は、泣きじゃくった。
「大地の泣き虫! 大地は強い男の子でしょ」とひとみは言った。
「やっぱり強くないもん。だから、病院へ行きたくない」と大地は泣いて、ひとみに懇願したが、
「今から病院へ行ってみます」と藤井に言い、ひとみは大地の手を引っ張った。
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