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そんな事を思いながら、週末の予定を立てている女の話を上の空で聞いている。
入社二年目。真田は会社にも慣れ流行りのような社内恋愛での彼女もできた。それなりにモテるとは自負しているが清藤を知ってから、モテるという次元が違うのだと知った。
誰からも慕われ信頼も厚い。噂で聞くキレ者だというのも納得いく隙のないスタイルに何故か闘争心が湧く。
真田も高身長、高学歴、そして同じように人望はあると自負している。
だが清藤と何が違うのか。あの若さで課長であり収入の差はあるとしても年齢差だってある。そう思っては自分と比べ、いつの間にかその姿を目で追う真田がいる。
部署に戻り、午後からの外回りに出かける同僚に声をかけ真田は自席へ戻ろうと急ぐ。
それを目で追う部長の視線とぶつかり、来い来いと手招きされ近寄れば大きな腹の上で腕組みをし眉間に皺を寄せていた。
「何でしょう、高居部長」
椅子を反転させガラス越しに寄り立ち、外を見つめる。
つい先程、ポストカードのような光景を目に焼き付けてきた真田は、同じような光景でも人が違うとこんなにも違うんだと笑いを堪えた。
「真田、内示が出たんだが……」
「内示、ですか?」
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