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初めて、知らない男に抱かれる・・・雅は、処女だった。恋愛は、雅には御法度だった。夢が叶うまで・・・自分は自分の道をひた走る。そう決めていた。それだけに、精一杯になっていた。だから、好きな異性も出来なかった。雅には、葉月の愛撫が一番気持ちが良かった。
部屋に入ると、芝がようやく、雅の肩を離した。
「先にシャワー、浴びておいで。」
「は、はい。あ、あの、芝さんは・・・?」
「後で入るから。それとも、一緒に入りたい?」
「い、いえ・・・その・・・恥ずかしいので・・・」
雅がそう言うと、芝はクスっと笑った。
「可愛いね、そういうところ。」
雅は、顔を赤くしながらも、風呂場に入っていった。服を脱ぐ時になって、ようやく、自分がしようとしていることに気付いた。そして、シャワーを浴びている内に、怖くなってきた。自分は何をしようとしているんだろう?こんなことをして・・・醜い・・・体を使って仕事を取るだなんて・・・
雅はやっと、目を覚ました。シャワーからすぐさま上がる。そして、着てきた服を、もう一度着た。
ガチャ・・と音をさせて雅が部屋に戻ると、芝が、雅を見つめていた。
「あれ?シャワー、浴びなかったの?でも、髪の毛は濡れてるね。あ、そういうシチュが好み?」
そう言って近づいてくる芝を、雅は恐怖の目で見つめた。そして、後ずさる。
「あ、あの・・・すみません、私・・・やっぱり・・・無理です・・・」
雅の肩はガタガタと震えていた。
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