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そこには、スースーと眠る山岸がベッドに横になっていた。雅は、その姿を認めると、涙が溢れるのを感じた。
居た・・・見つけた・・・
葉月は、山岸に近づくと、ビシッと、その横顔を叩いた。
「うう〜〜〜〜〜」
山岸が、呻きながら起き上がる。そして、葉月と、私を、交互に見つめた。驚いた顔をして・・・叩かれた頬は赤くなっていた。
「なんで・・・ここに・・・・・・・」
「あんたの居所なんて、私にしたら、どうとでも探せるの、分かってないの?雅のこと、傷付けて寂しがらせて・・・ただで済むと思ってる?」
「な・・・ごめ・・・」
「あの店員、ゲイなんでしょ、あんたとデキてるの?」
「まさか!!俺はストレートだよ!!ただ・・・あっちから好かれては居るみたいだけど・・・」
「なんでそんな危険なとこに隠れてんのよ?!バッカじゃないの?!」
「あいつとはなんでも無いって・・・それより・・・雅・・・どうしてここに?」
「あんたって、ホンット鈍いわね!!雅はあんたのこと、好きだって言ったんでしょ?なのに、なんで姿をくらますのよ?雅の気持ちを考えたことあるの?あ〜あ、こんなあんたに雅のこと取られるなんて、私もいい加減お人好しよね。」
葉月は、両手を挙げて降参ポーズをした。雅は、山岸に近づくと、バシッと、その頬を叩いた。
「雅・・・俺・・・・・・・ごめん・・・・・・」
「ふん!!いい気味!!」
葉月がその様を見て、おかしそうに笑った。
私が、どれだけ山岸のことを捜してたか、どれだけ思ってたか、思い知ればいい!!
「もう、あんたのことなんて、知らない!!好きでも何でも無い!!」
雅は、心にも無いことを口走っていた。
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