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ハァハァと息を切らしながら、雅は後ろを振り返った。
追って・・・来ない・・・・・・
雅は山岸が後を追ってきてくれると信じて居た。
でも実際は、こんなものだ。
もう、止めよう。止めよう、想うのは。そうすれば苦しく無い。
一度そうしようと決めたではないか。
元の自分に戻ればいい。仕事しか頭に無い自分に・・・
そう、雅はまだ仕事を諦めては居なかった。
芝が言ってくれたことを思いだしていた。自分で上がってくると・・・そんな気がすると言ってくれた。
私は、自分の力で、自分の魅力で、仕事を勝ち取ってみせる。
そして・・・そして山岸を見返してやるんだ。
どうしてまた離れる?
いつも一緒に居た・・・それなのに気持ちが通じたのはついこの間。
こんな簡単に壊れるものなんだ・・・
恋愛って、こんなものなんだ・・・
雅は、暗い路地裏で、呆然と空を見上げた。
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