グラドル

8/10
前へ
/39ページ
次へ
「雅・・・会いに行くの?」 葉月が、裸のまま、寂しそうに呟いた。ハッとして、葉月を見つめる。 ポロポロと、葉月の瞳から涙が溢れた。 葉月は、レズビアンじゃない。でも、雅のことを一番に思って居る。雅は、葉月を方って置けなかった。 「行かない。行かないよ。葉月の方が大事だもの。あんなカメラマンのなり損ない、私が相手にするわけ無いでしょ。」 雅は無理矢理笑顔を作った。 葉月は、顔を輝かせた。そしてまた、雅に裸の胸を押しつけた。 「嬉しい・・・嬉しい、雅・・・あたし、雅だけが居てくれたらいい。」 売れっ子のモデルである葉月が、こんなことを言うなんて・・・ 雅も、葉月を抱き締めた。葉月がこんなに想ってくれて居る以上、私は山岸には会いに行けない・・・そう心に誓った。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加