マドンナだと思ってた

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雑誌の撮影と言ったって、ほんの1ページの隅っこに載るだけだ。 モデル事務所のマネージャーは頑張って仕事を取ってきてくれるけど、それでも雅を求める雑誌は少ない。 葉月は、真逆で、雑誌の専属モデルをやっていた。 雅が載るこの雑誌の、専属モデルだった。 雅のことを好きな葉月は、この撮影が楽しくてしょうが無い様子だった。 「雅、雅、撮影終わったら、晩ごはんどっかで一緒に食べよう?」 色々な衣装に着替えながら、葉月は、雅を誘う。 雅は、葉月の気持ちを知っていたけれど、葉月のことは親友のように思って居た。 「うん、いいよ。私、終わるまで待ってるよ。」 当然ながら、雅の撮影よりも、葉月の撮影が多い。時間もそれなりに掛かる。でも、いつも葉月との撮影の時は、こうして一緒に食事に行っていた。 「いいなぁ?。俺も混ぜてよ。」 シャッターを押しながら、山岸が雅に乞う。 「ええ?、だって山岸、まだ私のこと、好きなんでしょ?なんかやだよ?。」 「ばっか、そんなの昔のことじゃん。な、いいだろ?」 「本当に?それならいいよ。あ、でも、葉月に聞いてみないと。葉月?。」 「あたしはやだ!!折角雅と二人っきりになれるんだから。山岸、邪魔しないでよね!!」 「だって。ごめんね?、山岸。」 こんなことを言いながらも、山岸はまだ雅のことを好きだった。 ただ、それを顔や口に出したりするのは止めていた。 仕事にも支障を来すからだ。 山岸は、ニコニコ笑いながらも、「ええ?、残念!!」と本当の思いを口に出した。
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