9人が本棚に入れています
本棚に追加
雅は、事務所に帰って、暇を持て余していた。
何か、自分に出来る仕事があるんじゃ無いか、って、考えて居た。
そして、マネージャーから、声が掛かる。
「雅、○×雑誌の、編集長、覚えてる?」
ああ、確かいやらしい目で雅を見て居たあのおじさんだ。
「はい、覚えてます。」
「あの人が、今夜、雅に会いたいんだって。」
ああ、これは・・・
雅は、枕営業をしたことは無い。
でも、これはきっと、そういう意味だ。
「いいですよ。ああ、でも、葉月に今夜の約束断らないと。」
「そっちは、僕が断っておきます。」
「ああ、はい、お願いします。」
「7時に、Aホテルのロビーで待ってるそうです。行けますか?なんなら、僕が車で送りますけど。」
「ああ、大丈夫です。電車で行けます。」
「そうですか。重要な取引先なので、くれぐれも、失礼の無いように。」
「はい、分かってます。」
雅は、それを覚悟した。
好きでも無い人に、おじさんに抱かれることを。
そうでもしない限り、自分は上に行けない。そのことを、雅は熟知していた。そして、上に行く為なら、こんなこと、なんとも無いと、思って居た。
最初のコメントを投稿しよう!