マドンナだと思ってた

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雅は、事務所に帰って、暇を持て余していた。 何か、自分に出来る仕事があるんじゃ無いか、って、考えて居た。 そして、マネージャーから、声が掛かる。 「雅、○×雑誌の、編集長、覚えてる?」 ああ、確かいやらしい目で雅を見て居たあのおじさんだ。 「はい、覚えてます。」 「あの人が、今夜、雅に会いたいんだって。」 ああ、これは・・・ 雅は、枕営業をしたことは無い。 でも、これはきっと、そういう意味だ。 「いいですよ。ああ、でも、葉月に今夜の約束断らないと。」 「そっちは、僕が断っておきます。」 「ああ、はい、お願いします。」 「7時に、Aホテルのロビーで待ってるそうです。行けますか?なんなら、僕が車で送りますけど。」 「ああ、大丈夫です。電車で行けます。」 「そうですか。重要な取引先なので、くれぐれも、失礼の無いように。」 「はい、分かってます。」 雅は、それを覚悟した。 好きでも無い人に、おじさんに抱かれることを。 そうでもしない限り、自分は上に行けない。そのことを、雅は熟知していた。そして、上に行く為なら、こんなこと、なんとも無いと、思って居た。
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