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「ああ~。たまんねー。萌える~」
漫画のヒロインが、満面の笑みを浮かべているのを見て、男は高ぶった感情を顕にする。
晩ご飯を食べ終え、自室で可憐な女の子が登場するコンテンツを楽しむのが、男にとって最上の仕合せなのだ。
そして男は笑顔の重要性について考える。
それは他人を惹き付ける、最大の武器になるのではないかと。
事実、己はクンカクンカスーハーして、食べちゃいたくなるほど仮想空間の女子に惚れた。
これは男にとって途轍もない発見である。
なぜなら男は、人間から相手にされたいと思っているからだ。同然、人間から相手にされないから、このような感情を抱くのである。
見た目は者であるが中身はゲテモノ。
いや、これは凡人が抱く感想。そんな言葉では済まされない。
男は存在が奇天烈で、奇想天外で摩訶不思議。
観察対象としては最高の素材なのである。素材を生かすも殺すも調理師の腕次第。
つまり観察者の感性に、全てが託されているということだ。
男には名前がある。それは人らしく、普遍的なものである。しかし人間らしくないコイツには、不釣り合いである。
もっとオリジナリティーやら特別感が欲しい。
コイツは今まで友達など出来たことがなかった。生粋のボッチ。凡人には到底マネ出来ないであろう。
もはや、それは神の領域。
あえて言おうゴットボッチである。
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