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男は8時20分に教室へと入る。教室までの途中、会釈を何度かしたが相手は安定のスルー。
ゴットボッチは席に座り、新しい自分を他人に見せる覚悟を決めた。
隣の席に座っているM君は、男とは反対側の席の人と話している。
つまりゴットボッチに背を向けてる状況だ。
男はM君の肩をトントンと叩く。
M君は振り向く。顔をひきつらせた。男が不気味に、にたにたと笑っているからだ。
「なに……?」
M君は友達と話しているときとは、別人のようだ。
冷めきった対応である。
何と言われても、特に言うことなんてなかった。
「あの……。えっと……」
何も言えない。ゴットボッチクオリティーである。
「お前キモイ……。何かたくらんでるの?意味わかんないんだけど……」
「あ……、す……すみません……」
M君は首をかしげ再び友達と話を再開させる。
ゴットボッチ、お前は頑張ったよ。成果にはつながらなかったが……。お前らしいよ。
流石マイナスの頂点に君臨してるだけある。なにもしない事が一番平和なんだ。
とはいってもコイツにはわからないだろう……。
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