遊戯

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翌日の放課後。N君達は今日も変わらずカードゲームをしていた。 ゴットボッチはネット検索でルールを覚えたから、やる気を出して彼等の所へと行く。 そして彼等を覗く。 よし大富豪をやっている。 ゴットボッチは意を決してN君の肩を叩いた。 N君は振り向く。 「え……。な……なに?」 やっぱりコイツかと思いながら、そう聞いた。昨日K君達から教えて貰ったのである。 「あ……あの……。ぼ……僕も……な……仲間に入れてくれませんか?」 久しぶりに人と話すので、とてつもない緊張だ。しかし男は精一杯の声で伝えた。 嫌だな……。N君は内心思う。 しかし穏やかな性格のN君は、正直に言えなかった。 「やりたいって言っているんだけど、仲間に入れていいかな?」 本当はこんなこと言いたくない。でもN君は優しいので、仲間達にそう言った。 「……」 「……」 「ま……まあいんじゃない」 K君がなんとかそう言った。N君は救われたような気持ちになった。 そしてゴットボッチも仲間に入ってゲームを始める。 ゴットボッチはかつてない幸福を味わう。
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