0人が本棚に入れています
本棚に追加
紀元前3世紀。約2400年前。世は文明の発展をとげ、他部族から備蓄米を奪うことを目的としていた時代。そんな中、アイヌ民族が徐々に衰退しようとしていた。
聖地の森・竜吟峽の竜吟の森の中心。森に囲まれ、その中心はシカ、タヌキ、猿、白狐、カブトムシ、黄金虫、桜、梅など、様々な動物、昆虫、植物が集まり、生息する。そこに、2匹の雌竜と雄竜が住んでいる。その竜はとても、優しく落ち着いていて、人や動物を襲う事はなかった。
かつて、この地域では多くの竜がいたが、時代を重ねるとともに、どんどん衰退し、2匹の竜を残し、絶滅した。
昔、竜とは恐ろしい存在なため、1匹の雄竜は、当時ちかくの村に住み着いていた部族に右翼をもぎ取られたため、飛べなくなってしまった。あまりにも卑劣で残酷な経験し、傷から壊死し身体が弱っていた。動くことは出来なかった。その雄竜を支えるため雌竜は、出ようとはしず、森に居た。雄竜は薬草であるシケレペを毎日、服薬していた。シケレペとは、キハダの木の実から取れる植物。風邪を引いたとき、胃が痛いとき、色々な、病に効くという漢方薬で煎じて飲む。
ある日の夜、雌竜はシケレペを煎じて雄竜に飲ませようとするが、シケレペはもう無くなっていた。昔、オキキリムイ(カムイ・神様)が雄竜の傷を心配し、シケレペを多く貰い受けた。初めは、月に1回飲んでいたが、今は毎日飲んでいるので、底をついてしまった。オキキリムイは、もう存在しない。無くなった今、自分で採れる山地まで行かなければならない。
最初のコメントを投稿しよう!