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「ふえっ?」
思いもしないことに目を丸くする。真っ赤な目を持つ影はそんなマオを見て、自分の身体に目を向けた。
途端に『うおっ』と驚いた声を上げる。思わずペラペラな手でペラペラな身体を触ると、影は絶叫した。
『なんだこりゃ! まさか、これは、影ぇぇ!!?』
影になった悪魔の王は叫ぶ。ルルクはそんな姿を見て言葉を失った。
マオから伸びる影。それが奇妙な声を上げて動いている。それはあまりにも滑稽であり、だがどこか笑えないという不意義な光景でもあった。
『おい、何だよこれっ。なんでこんなことになったんだよ!』
「そんなの私に言われても……」
『なんでだよ、なんでこうなったんだよっ、チクショー!』
叫ぶ影。困り果てるマオと、苦笑いを浮かべるルルク。そんな中で目を覚ましたミーシャは何が起きたかわからず呆然と見つめていた。
不思議な不思議な冒険の終わり。それはマオ達の輪の中に奇妙な仲間を奇妙な形で加えることになったのだった。
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