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「もー、ルルク。そんなに押さないでよっ」
「だ、だけどー」
「マオお姉ちゃん、ルルクはやっぱり連れてこなかったほうがよかったかも。もしモンスターと鉢合わせたら大変だよ?」
「魔法が使えるのはルルクだけなの。だからミーシャ、文句は言っちゃダメ」
ミーシャはどこか納得できないような顔をしていた。マオはそんなミーシャにちょっと困った顔をしながら、なだめるように頭を撫でる。するとミーシャは機嫌を直したのか、嬉しそうに笑った。
そんなミーシャを見てルルクはどこか安心したかのように胸を撫で下ろす。マオはどこか臆病なルルクにちょっと困りつつ、一緒に進んでいった。
「それにしても、こんな所にお宝なんてあるの?」
何気ない疑問をルルクは口にする。
するとミーシャがちょっと怒り気味に言葉を吐き出した。
「それを確認するために来たんでしょ! 話を聞いてなかったの!?」
「き、聞いてたよ! でも、もしあったとしても誰かがとっくに持っていったんじゃあないかなって……」
「結論付けるのがアンタの悪いところ! ロマンがないじゃない!」
「だ、だけど普通に考えれば――」
ムキーッとなるミーシャ。ルルクはというと、一刻も早く帰りたいのか、引き下がろうとしない。
マオはそんな二人に頭を抱えながら、仕方なく割って入った。
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