13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ルルク、お宝がないかどうか確信できる情報はないよね?」
「う、うん。でも……」
「なら、確認してからでもいいでしょ?」
「だけどぉー」
「私はルルクを頼りにしているよ。怖いかもしれないけど、頑張ってほしいな」
ルルクはマオの言葉に黙り込む。若干だが顔を赤くして、まっすぐとマオを見つめた。
どうやらルルクの中で決心がついたようだった。それを感じ取ったマオは、次にミーシャへ顔を向けた。
「ミーシャ、今回はルルクに無理を言って来てもらったんだからね。あんまりキツく言っちゃダメだよ」
「でもルルクが――」
「万が一のことが起きたらルルクしか頼れないからね。ミーシャもわかっているでしょ?」
「むぅー」
ミーシャは落ち込んだのか、元気なく耳と尻尾を垂らしていた。だがもう一度ミーシャの頭を撫でると、とても嬉しいのかすぐに元気を取り戻した様子だった。
「それじゃあ、冒険を続けよう!」
「「おー!」」
気を取り直した三人。元気よくかけ声をかけ、意気揚々に廃墟の中を進んでいく。
しかし、三人は気づいていなかった。その後ろに、怪しい何かが蠢きながら追いかけてきていることに。
最初のコメントを投稿しよう!