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一瞬の出来事に、春子は、不覚にも抵抗することを忘れてしまった。雅は、全く臆することなく、その腕を、春子の首に絡めた。
「っちょっと。ゆうき」
「春子さんだって。ゆうき、じゃなくて、雅ですよ」
雅は、絡めた両腕を引き寄せて、もう一度春子にキスをした。
「ゆうき、ここじゃダメだよ」
「やった!それ、いただき!じゃあ、今日の夜は絶対ね。最近、夜勤ですれ違いばっかだから、春子さん不足で死にそー」
雅は勢いよくカーテンを閉めて出ていった。
「雅、検査の準備は?」
廊下の向こうで、「春子主任、お願いしまーす」と聞こえた。ナースシューズの靴音も、きゅっきゅっと踊っているようだ。~しまった。やられたな。
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