楽曲は宝石

1/1
前へ
/12ページ
次へ

楽曲は宝石

ポーリーが続ける。 「イルミナって音楽のことはみんなよくわかってるのだけど、それ以外は知られていないのは、故意にプライベートを隠しているってこと、アラン?」 アランはカメラを見て、その後外して言った。 「それはね、僕たち自身は、皆さんと同じ、普通の人間だし、僕たちが発信したいのは音楽だから、それで特に広報していないだけ。僕たち普通だし、プライベートなんて別に面白くないとおもうよ。」 「でもね、ファンというのはいろいろ知りたいものなの。まずはバンドを組んだきっかけはどうゆう経緯だったの?」 「ああ、最初、僕とデービッドが会ってバンド組む話して、そして僕がアレックスに来ないかと言って、アレックスがポールを連れてきた。みんないいやつなんで続いてる。」 「曲作るときは、アランがリードして、インスピレーションというか即興でつくるというけれど、まあ、バンドの曲作りって、そんな感じかとは思うけど、あのユニークな楽曲創りには、なんか特別の秘密があるんじゃないかって思うけど?」 アランは無表情で答えた。それがミステリアスに映る。 「そうだね、僕らは自分たちがアーティストだと自負してるんで、曲はピュアな環境で、メンバーそれぞれの感性を束ねて作っていく、という感じかな。 スタジオでは対等なんだよ。みんなはCDとかライブで出来上がっているものを聞いているけど、実際はとっても丁寧に、複雑な段階を経て、曲を織り上げていくという感じで、とっても時間がかかってるんだ。 楽曲は僕らの宝石。まるで実験みたいだよ。イルミナはいわゆるラボのようなものさ。」 「なるほど。とても面白そうね。アランって、意外に知的なのね~。ステージでは美しき感性の野獣に見えるけど。」 「ありがとう。僕初めて知的と言われた、ポーリー。」 アランは微笑んだ。 「では次にアレックス、あなたはステージでアランと絡んで凄くホットなギターを弾いてるけど、ギターはいつから?」 「ミドルスクールの時から。」 「アランについて教えて?彼はどんな人?リーダーとしてどう思う?」 「それを僕に振るの?きついな?変なこと言うとリベンジが来る。(笑)アランは天才だよ。同時に馬鹿で。普通じゃない。他になんかあったかな?そう、命知らず。自傷癖。」 そういって、アレックスは悪戯っぽくリストカットのしぐさをした。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加