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楽曲は宝石
ポーリーが続ける。
「イルミナって音楽のことはみんなよくわかってるのだけど、それ以外は知られていないのは、故意にプライベートを隠しているってこと、アラン?」
アランはカメラを見て、その後外して言った。
「それはね、僕たち自身は、皆さんと同じ、普通の人間だし、僕たちが発信したいのは音楽だから、それで特に広報していないだけ。僕たち普通だし、プライベートなんて別に面白くないとおもうよ。」
「でもね、ファンというのはいろいろ知りたいものなの。まずはバンドを組んだきっかけはどうゆう経緯だったの?」
「ああ、最初、僕とデービッドが会ってバンド組む話して、そして僕がアレックスに来ないかと言って、アレックスがポールを連れてきた。みんないいやつなんで続いてる。」
「曲作るときは、アランがリードして、インスピレーションというか即興でつくるというけれど、まあ、バンドの曲作りって、そんな感じかとは思うけど、あのユニークな楽曲創りには、なんか特別の秘密があるんじゃないかって思うけど?」
アランは無表情で答えた。それがミステリアスに映る。
「そうだね、僕らは自分たちがアーティストだと自負してるんで、曲はピュアな環境で、メンバーそれぞれの感性を束ねて作っていく、という感じかな。
スタジオでは対等なんだよ。みんなはCDとかライブで出来上がっているものを聞いているけど、実際はとっても丁寧に、複雑な段階を経て、曲を織り上げていくという感じで、とっても時間がかかってるんだ。
楽曲は僕らの宝石。まるで実験みたいだよ。イルミナはいわゆるラボのようなものさ。」
「なるほど。とても面白そうね。アランって、意外に知的なのね~。ステージでは美しき感性の野獣に見えるけど。」
「ありがとう。僕初めて知的と言われた、ポーリー。」
アランは微笑んだ。
「では次にアレックス、あなたはステージでアランと絡んで凄くホットなギターを弾いてるけど、ギターはいつから?」
「ミドルスクールの時から。」
「アランについて教えて?彼はどんな人?リーダーとしてどう思う?」
「それを僕に振るの?きついな?変なこと言うとリベンジが来る。(笑)アランは天才だよ。同時に馬鹿で。普通じゃない。他になんかあったかな?そう、命知らず。自傷癖。」
そういって、アレックスは悪戯っぽくリストカットのしぐさをした。
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