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チラッと鏡の方を見て目を見開くと「あぁ、よく見えないけど倫太郎シャンプーとって?」
「シレッとシャワー使ってんなよ。俺が使ってたのに。」
シャンプーを渡しながらノズルを押して有栖川の手のひらにシャンプーの液を垂らす。
それが異様にノズルから垂れ落ち「あぁ倫太郎の精液みたい。」と言った有栖川の頬を持っていたシャンプーで思い切りつついてやった。
「いひゃいし、それ武器になるよ。やめて。」
「お前が変態発言をやめればいいんだよ。」
やめるつもりはないだろう事は十分に理解していたけど、シャワーをおとなしく浴びている間、椅子に座って待つことにした。
「あれ?倫太郎?何処行ったの?」
気配を感じなくなったと思った有栖川はキョロキョロと辺りを見回している。
「後ろだ。ばぁか。」
「俺コンタクト外したら全然見えないんだから介護してよね。」
そう言えば家に行った時眼鏡かけてたっけ。
目が悪いんだって俺と一緒だってあの時はひそかに思ってたけど……。
「お前、あれ伊達眼鏡っつってなかったか?」
よくよく話を聞いていると視力は抜群にいいと言っていた気がした。
「あれ?そうだっけ?ま、そんな話はどーでもいいじゃん?」
「お前が目が悪いだとかいうからだろ。」
「そういう倫太郎は最近眼鏡かけてないよね?」
シャンプーが終わった有栖川は髪の毛をかき上げながら振り返る。
その所作がいちいちエロイ。
「あ、倫太郎俺のオールバック見てドキッとしたりしてる?」
「誰がするか。」
「普段見ない髪型でしょ?あ、それか濡れた俺の姿を見て興奮してるとか?」
「そろそろその口縫い合わせようか?」
「もぉ倫太郎ったら。エッチしたいなら早く言えばいいのに。」
「誰もそんな事言ってないからな……ちょ!おい!近づくな!風呂入れ!俺まだ身体洗ってないんだ!」
湯張りが完了している風呂釜はいい感じに湯気が立っている。
「あ、そう。倫太郎はこっちでしたい派なんだ。でもお風呂でしたら汚しちゃうんじゃない?ピュッとさ、白い白濁を─────」
「お前やっぱり風呂でヤル気だな。」
ジト目でシャワーを浴び始めた俺を満面な笑みで見ている有栖川。
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