やばい休日にご注意を

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受付の前で無言でたった俺たちは目の前の中年の女性を見ている。 老眼鏡をずらして上目使いで俺たちを交互に見てくるその人は淡々とした口調で「部屋はどうしますかー。」と言ってきた。 男二人でも入れんのか・・・・・・。 内心でそんな呟きをしていると隣の有栖川は「部屋は全部風呂ってついてんのー?」 「そうね。」 「へぇ。今時のラブホを知らないから部屋は何でもいいんだけど。おねぇさんのお勧めとかあるの?」 中年の女性は、有栖川に“お姉さん”と言われ表情を一変させた。 「わ、私のお勧め?そりゃもちろん、このDXルームでしょうねぇ。なんたって鏡が良い位置にあって丸見え。それでベッドも回転して・・・・・・。」 「ちょ、お前そんな部屋は・・・・・・。」おばさんの話を遮ったのに有栖川は、俺の存在をかき消しているかのように話をしている。それもかなり前のめりで……。 「え?鏡って最高すぎんだけど・・・。」 「・・・・・・。」 俺の話なんて耳に入っていない感じ。 目を輝かせておばさんの話を聞いている。 この状況俺に決定権はなさそうだ。 *** 部屋は薄暗いけど、見ればわかるくらいのピンク色で、真ん中にステージのごとく一段高めになってキングサイズのベッドが置かれている。 入口で立ち止まった俺を置いて、有栖川はどんどん中に入ってあたりを物色している。 「最近のラブホって奇麗だな。昔とは随分変わってる。」そういいながら棚を開けて中に入っている何かを取り出してスイッチを入れている。 「おい、倫太郎、倫太郎!!お前が好きそうな玩具があるぞ!」 掲げて見せてきたのは、まったく理解できないものだった。 「なんだよそれ。」 「あ?これ知らないの?」 スイッチをもうひと段階押して目の前に見せてくる有栖川。 ウィンウィン音を立てながら高速で縦に動いているデ〇〇ドだった。
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