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また、我が家には石油ストーブがなかったので、イオンモールの中にある大型電器店で購入した。この時も店員とよく話して、ただでさえ印象の薄い私だけれど、ミレイの名前も出してより印象づけた。
逆に、灯油をガソリンスタンドで買う時は敢えて地味にする。犯行直前に、余分に買い足そうと考えたからだ。あくまでも、普通に生活する中で火事に遭ったという設定を崩してはならない。焼けつくされるであろう、庭の花も育て続けた。 一方、夫は夫で、私にはわからないようにだけれど、燃えて困るもの、愛用のゴルフクラブや趣味で集めている高級時計をこっそりと家から持ち出していた。保険金を貰ってから書い直せばいいのにと呆れつつも、可愛らしいと思う。
また、私は死ぬまでにしたいことをノートに書き出し、実行しようと考えた。ところが、具体的にしたいことは何一つなかった。所詮、私は死にたい奥様。望みはたった一つ、「死」だから。
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