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終わり。
色々あった。
濃密で、充実していて、だけど虚しくて、哀しくて、寂しい。幸せなのに物足りない。そんな関係を続けてきた。
振り返ってみたら経ったの数ヶ月。3カ月も経って居なかったかもしれない。これが交際だったなら、元彼とは1カ月も続かなかった私にとっては過去2番目に長い数字となっただろう。
しかしこれは交際などではない。
強いて言うなら浮気、不倫。
否
そんなに汚い関係でも無いし、かといって美しく恋人と呼べるものでもない。
浮気や不倫と呼ぶには危うい立場で、今思えばそこまでの気持ちすら無かったのだ。
ガラスの床をピンヒールで歩いてるような、プレパラートを摘むような薄くて脆くていつ壊れてもおかしくないその関係を、私はヒビに気付かないフリをして、続けてきた。
一度入ったヒビはボンドで付けても綺麗に戻りはしないのだ。結局そこから脆くなる。
それくらいの事わかって居たはずなのに、それでも引き留めたのはどうしてなのか。それを探すのがきっとこの話になるはずなんだ。
ヒビをボンドで留めただけの関係でも良かった。それでも君が居てくれるなら。
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