玻璃

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 ゆらゆらと揺れるストラップは、藍斗くんのカバンにしっかりと結び付けられて、私たちの歩みに合わせたリズムを刻む。  風で藍斗くんの前髪がわずかに揺れると、そんなほんのささいな変化でさえ目に映りこむ距離に驚いてひかえめに半歩ほど外側に移動をする。  夜の風はいつだって私たちを包み込む。ぼんやりと闇ににじむ街灯は夜の世界に導くように等間隔で先を照らす。さらさらと聞こえるのは青々と伸びる道端の緑が隣通しささやきあう声。  ふわり、さらり。  夏のにおい、月明かり。どんな願いも叶ってしまいそうな夜。
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